|
|
'09年鳥羽での初ライヴの後、メンバーの各自が平行してそれぞれ他のバンドやプロジェクトに関わってきた+8%が、これまで行ったライヴの回数は、わずかに数回。『次のパーティーやライヴの予定もないけれど、定期的にリハを続けている最中に、「曲をつくろうか」となった』(HAV談)ことは、熟練ミュージシャン揃いの+8%が、バンドとしての発展性を求めてゆく過程で、ごく自然な成り行きでもあった。そして昨年の後半、ゆるやかなペースでスタジオ入りを繰り返していた+8%は、2011年3月11日以降をこの国で生きるレゲエ・ミュージシャンにとっての、これもきわめて自然な《アクション》にして地道な《熟成の成果》として、オリジナル曲「IPPO」を完成させる。
『大震災と原発事故を踏まえたら、「IPPO」になった。今発表するしかないと思い、それ以前につくった曲よりも先に出すことにした』とメンバーが語る+8%のデヴューシングルは、子供にも伝わりそうな易しい言葉で、《まず一歩、自らの想いを行動にあらわすために踏み出す》ことによって、いかに自分を含めた現実の未来が変わるのか、その《一歩》によってもたらされるはかり知れない可能性の尊さを歌っている。(しかし、無論、本当にこの曲の言葉に耳を傾けるべきなのは、子供たちではなく、この国の五十代、六十代をはじめとする大人たちであることは、「IPPO」を聴く全てのリスナーにご理解いただけるだろうが。)
どんな明るい未来もそこからしか始まることのない《一歩》の持つ力、《一歩》によって拓かれる道――自ら感じ、気づいて始まる自律的な歩みが自らをより開けた未来へと運ぶ、元々人間に備わっているはずの、しなやかな能力によって導かれる奇蹟について歌われた「IPPO」は、レゲエで言う《 GUIDANCE 》が、秘教的な現象などではなく、むしろ日常の愛や思いやりなしには起こり得ない、さながら音楽の如き体験であることを思い出させてくれる。
'09年鳥羽での+8%の初ライヴの映像(※youtubeで視聴可能)では、ジェイムス・ブラウンがギャングスタ・ラップをぶちかましているようないかついレゲエバンドのダブが、視る者を狂喜させる。その正真正銘の第一歩であったステージから3年越しで発表された、今回のファースト7インチシングル「IPPO」は、初回のライヴとはまるで違った響きを、原発事故以降の時間を生きざるを得なくなった我々のもとへと届ける。
+8%が、バンドと音楽を続けるにあたって最重要視してきたに違いない、メンバーの口からたびたび聞かれる『ええ感じ』――では、大震災と原発事故以降の日本で、関西で、大阪で、音楽を、レゲエを、『ええ感じ』で続けようとするには……?
「IPPO」という曲の発表こそが、+8%なりの、まずは最初のその答えであり、同時にそれが、彼らにとっての新たな「第一歩」でもあることは、疑うべくもない。(B面にはHAVによるダブ・バージョンを収録。) [文:モブ・ノリオ]
ベテランアーテイスト、Little Chibiのライブをきっかけに集まった実力派ミュージシャンによって結成された大阪を拠点に活動をするレゲエバンド、+8%のファーストシングルがリリース!!彼らの熱い想いのこもった素晴らしくポジティブで心打たれるナンバー!
この商品を買った人は他にこんな商品も買っています
|
関連ベストセラー
|
|
|
|
|
|
||||||||||
|
|
|
|
|
関連アクセサリー
|
|
|
|
|
|
●このページに記載されている情報や画像、試聴の内容などに間違いを見つけたら、お手数ですがご報告ください。 |