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Ethiopians (エチオピアンズ)Text by Harry Hawks

事実上のエチオピアンズであるレオナルド・ディロンはジャマイカ音楽の中で陰の英雄であり続けている…
2015/4/15掲載 2020/3/27更新 (C)ダブストアサウンドインク 無断転載を禁ず
本名: Leonard Dillon
1945年~2011年9月28日
出身地: ジャマイカ
ポートランド
ポート・アントニオ
関連アーティスト:
Wailers (ウェイラーズ)
1945年、ポートランドのポート・アントニオで生まれたレナード"スパロウ"(Leonard 'Sparrow')または"エチオピアン"ディロン('Ethiopian' Dillon)は建築業者して働き、レコーディングのキャリアをスタートさせたのは、'コクソン'ドッド(CS Dodd)のスタジオ・ワン(Studio One)でジャック・スパロウ(Jack Sparrow)という名でスカとメントに影響を受けた楽曲を録音した1964年のことだった。このとき録音した楽曲の中にはコクソンにレナードを紹介したウェイラーズ(Wailers)をハーモニーにフィーチャーした'Ice Water'と'Beggars Have No Choice'が含まれる。1966年、レナードはシンガーのウォーリー・ブッカー(Wally Booker)、スティーヴン・デイリー/タイラー(Stephen Daley/Taylor)、ネヴィル・ダンカン(Neville Duncan)、アストン・モリス(Aston Morris)らのメンバーが流動的に交代しながらもエチオピアンズ(Ethiopians)としての活動を始める。レオナルドとスティーヴン・デイリー/タイラーはデュオとなり、スカがスロー・ダウンしロックステディになると、コクソンの元で影響力のある'I'm Gonna Take Over Now'などを録音した..."そして自分たちの時代がやってきたのがわかった"

それから彼らはチャールズ・ロス(Charles Ross)の元で、ジャマイカでのオリジナルはWIRLからリリースされた、タイトルとは異なりロックステディのレコードだった'Train To Skaville'を録音した。またロンドンではリオ(Rio)からリリースされクラブで大流行、イギリスのチャートの下位にもランクインした。'Train To Skaville'のベース・ラインはメイタルズ(Maytals)の'54 46 Was My Number'とマーシャ・グリフィス(Marcia Griffiths)の'Feel Like Jumping'という2曲の更なるヒットを生んだ。

「エチオピアンズは'Train To Skaville'で初めてチャートに入るヒット曲を手にしたんだ...トゥーツ(Toots)の1番のヒットは'54-46'だが、'54-46'と'Train To Skaville'が同じリズムだったって知ってたか?違うのはホーンのフレーズだけなんだ...」

「エチオピアンズは'Train To Skaville'をロス...チャールズ・ロスって奴のために録音した...そうだ...あいつは嫁と別れてすぐにジャマイカに来たんだったな...とても良い奴で素晴らしいチューンをいくつも作った...その中の数曲は大ヒットしたものさ」バニー'ストライカー'リー(Bunny Striker Lee)

同年、エチオピアンズは女性プロデューサーのソニア・ポッティンジャー(Sonia Pottinger)の元で'The Whip'を録音し、彼女はジャマイカで、自身のレーベルであるゲイ・フィート(Gay Feet)からリリースした。イギリスではドクター・バード(Doctor Bird)からリリースされ、またもヒットを記録、クラブと全ての移動式遊園地で耳にすることが出来た。そう、"The Whip"として知られるアトラクションがある全ての移動式遊園地で、だ。妙なのはほんの少しのヴォーカル・コーラスとリフレインのみで構成されているこのグループの2曲の国際的大ヒット、'Train To Skaville'と'The Whip'は、この完全に時代を感じさせないリズムなのにも関わらず彼らの全カタログの中でも注目度が低いということだ。しかしこの2つのヒット曲の再評価と共にエチオピアンズは今、ジャマイカが誇る一流ヴォーカル・グループの1つとして認められている。

「エチオピアンズの知名度は高く、人気は長く続いた。しかし彼らの全盛期はレーベル、JJでレコーディングを始めたときだった...'Everything Clash'と共にローカルのHit Parade Chartsの両方ともで同時に第1位の座を射止めた」ジャッキー・エスティック(Jackie Estick)

翌年からエチオピアンズはカール'サーJ.J.'ジョンソン(Carl Johnson)と共に、'What A Fire'、'Selah'、イギリスのニュー・ビート(Nu Beat)からリリースされた際に間違えてメイタルズとクレジットされてしまった'Hong Kong Flu'、'Woman Capture Man'、'Everything Clash'、当時の国勢を痛烈に批判した''など最高の出来映えのレコードで1971年まで継続的に大きな成功を手にした。

"消防士がストライキを起こした、水道会社もストライキを起こした、電話会社も、だ..."'Everything Clash'

"サーJ.J.(Sir J.J.)自身が作り上げたこの新しいビート"、サーJ.J.のひたすら弾むレゲエのリズムと情熱的なヴォーカルの組み合わせは、彼らのレコードがジャマイカだけでなくイギリスでも大変な人気を集める要因になった。そしてこのグループは今レナード、スティーヴン、そして"最初に共に録音したのは'Everything Clash'、そしてJ.J.での作品のほとんどに参加していた"というメルヴィン'メロー'リード(Melvin 'Mellow' Reid)というラインナップになった。1969年にトロージャン・レコーズ(Trojan Records)よりロンドンでリリースされたサーJ.J.のジャマイカ産のオムニバス・アルバム「Reggae Power」は楽曲が入れ替えられ、このグループのものではないにもかかわらず2曲がエチオピアンズとクレジットされていた。エチオピアンズは初期のジャック・スパロウとしてレコーディングをしていた頃に戻ったかの様な'Hong Kong Flu'など愉快な楽曲にヘヴィーな社会批評とラスタファリアンに影響を受けたリリックを乗せて歌った。'Hong Kong Flu'はこの近年の伝染病が人々の健康を脅かす警告として受け止められるべきだったが、筆者は70年代初め、サウス・イースト・ロンドンのCrystal Palaceでのステージ・ショーでこの2人組がこの楽曲を披露したのを目にすることが出来たことを忘れることは出来ない。レナードは咳き込み、興奮した口調で話し、歌を歌い始めることが出来ず、バンド・メンバーの1人が"あいつはどうしちまったんだ?もしかしてあれをもらっちまったんじゃ..."と突然の演出を見せ盛り上げた。観客たちは大興奮し、そのショーは大成功に幕を閉じた。

「エチオピアンズがJ.J.ジョンソンの元に残したパフォーマンスの一連は、ジャマイカのヴォーカル・グループの歴史で高い評価を受け続けるだろう」スティーヴ・バロウ(Steve Barrow)&ピーター・ダルトン(Peter Dalton)

デューク・リード(Duke Reid)と共に'Pirate'と'Mother's Tender Care'を録音するなど、キングストンで名前を確立しているプロデューサーや、若手のプロデューサー、デリック・ハリオット(Derrick Harriott)とは'No Baptism'を録音するなど、このグループは幅広くレコーディングを行った。彼らはまたルーピー・エドワーズ(Rupie Edwards)、ジョー・ギブス(Joel Gibson)、リー'スクラッチ'ペリー(Lee Perry)、アルヴィン'GG'ラングリン(Alvin Ranglin)、マーティン(Martin)とウィンストン・ライリー(Winston Riley)兄弟とも仕事をした経験がある。ラスタファリアンに影響されたリリックの先駆者としての地位を確立していたエチオピアンズだが、多くの作品を生み出す一方、スティーヴン・デイリーは"ワシントン・ブルバードを越えた"ところのガソリンスタンドの仕事に戻り、1975年の9月、くしくもそこで交通事故に巻き込まれ死去してしまった。レナードは"今は仕事から離れ、6人のナイヤビンギの兄弟を作るまで自分に休みを与えなければいけなかった"、そして前メンバーのアストン・モリスとメルヴィン'メロー'モリスを含むハーモニー・シンガーたちを引き連れエチオピアンズとして、まさにルーツそのものであるナイヤビンギのアルバム、「Slave Call」を1977年にナイニー・ザ・オブザーヴァー(Niney The Observer)の元で完成させた。

レナード・ディロンは70年代後期にスタジオ・ワンへと戻り、新しいトラックと、同名のアルバム用に'Everything Crash'のセルフ・カヴァーを録音した。このLPはスタジオ・ワン復活の重要な1部分を担い、'Locast'または'Locus/Locous'を'Train To Skaville'のリズムに乗せ、さらに'Train To Skaville'は新しい世代の音楽好きにスタジオ・ワンだけでなくエチオピアンズのバックカタログの力強さと美学を示した。'The Whip'が再度リリースされレゲエのチャートに入り、また'Engine 54'がコレクターの市場においてジャマイカ産のレコードとして初めて目から涙が出るような価格で売買された80年代初期にイギリスで起り始めたリヴァイバルと偶然にも重なった。皮肉なことに 'Train To Skaville'の復活はジャマイカではWIRLから、イギリスからはドクター・バードから1968年にリリースされたアルバム「Engine 54」のカヴァーに使われた、愛らしく修理された蒸気機関車がジャマイカに存在することが分かり、当時ジャマイカで働いていたイギリスの鉄道ファンの熱狂を駆り立てるというものになってしまった...満足げな鉄道ファンたちが至る所にいたのだ!これらのレコードは1度も人気が落ちたことはなく、リヴァイバルのダンスで夜な夜なプレイされている。

90年代と2000年から2009年までの間、レナード・ディロンはソロまたはバック・コーラスをつけてレコーディングを続け、エチオピアンズの前メンバーであるネヴィル・ダンカンとハロルド・ビショップ(Harold Bishop)と共にツアーを行ってきた。彼らのステージ・ショーはアメリカで非常に人気があったが、脳に見つかった腫瘍を取り除く手術を行ったレナード・ディロンは2011年9月28日にキングストンにある彼の娘の自宅で死去した。教養的な音楽の先駆者であったレナード・ディロンとエチオピアンズは再発の市場において未だに過小評価されていることは非常に残念なことである。彼らの作品群の過半数は知られているが、70年代を通して彼らが活動を共にした多くの異なったプロデューサーたちに録音した作品を探し出すのは非常に難しいだろう。レナード・ディロンとエチオピアンズの名前と音楽は間違いなく更に幅広く知られるに値する...

参考文献:

Steve Barrow & Peter Dalton: Reggae The Rough Guide Rough Guides Limited 1997
Noel Hawks & Jah Floyd Reggae Going International 1967 to 1976 The Bunny 'Striker' Lee Story
Jamaican Recordings Publishing 2012

Jackie Estick: Liner Notes 'Reggae Power' Various Artists Sir JJ LP 0001 (Jamaica) 1969
Chris Wilson: Liner Notes 'Owner Fe De Yard' The Ethiopians Heartbeat/Studio One CD HB 129 1993
2015/4/15 (2020/3/27更新) Text by Harry Hawks
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>>エチオピアンズ(Ethiopians) - Train To Skaville - 1965 - リリック
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