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ジャマイカが誇る鬼才ピアニスト、レスリー・バトラーの奇跡のようなジャズ・ファンク・アルバム。超越した才能と強烈な個性のためリリース録音が少なかった、ジャマイカで最も独創的なピアニストであるレスリー・バトラーが、フェデラル・レコーズから特別な枠を与えられ好き放題演奏している一枚で、ジャマイカ音楽史上で最も奇抜な内容と言えるディープな作品である。楽曲はジャマイカ人がラジオで聴き慣れ親しんだ内容のカバー曲が多いが、素晴らしいアレンジとジャマイカらしい抜きの美学とで見事に完成されたジャマイカン・ジャズ・ファンク/レア・グルーブといった内容で、これでしか聴けない音楽。
レスリー・バトラーといえば、レア・グルーヴ界の名盤、ボリス・ガーディナーのファンク・チューン「Ghetto Funk」での参加で知られているが、このアルバムを聞くと更に多くの発見があるだろう。ジャズの一つの作品としても楽しめる、まさに目に鱗の内容だ。
オルガンとアコースティック・ピアノを使い分けるレスリー・バトラー。ベレス・ハモンドやバーニング・スピアのアルバムでもクレジットされている、サックス奏者、カールトン・サミュエルズもフルートとサックスを自在に操り、ソロが際立った作品となっている。レア・グルーヴ界隈では、クラシック中のクラシックで、マイナー盤の良質カヴァーも多数発掘されている「Evil Ways」と「Shaft」。そんな中でもここまでずば抜けたカヴァーの連続は珍しい。7インチファンクの世界において並べてもまったく引けを取らない「Evil Ways」は、どっしりしたドラミングとファンキーに動くベースをバックに、レスリーはオルガンを披露する。アンニュイなフルートも申し分ない。「Shaft」のアレンジセンスにも圧巻で、スカのリズムにアコースティック・ピアノ、そしてフルートの編成ですっかり垢抜けた印象のナンバーになっている。郷愁感を覚える質感もいい。これらのカヴァーの他にも、美しい旋律と豊かなアレンジが効いたジャズナンバー、ジャズ・ファンク・ナンバーがなんと多いことだろう。
冒頭「Witchita Lineman」でのピアノトリオ、「Aquarius」のみずみずしくもスピリチュアルなサックス。瞑想的で濃厚、それでいて風通りのよいジャマイカのリアルな音を、このアルバムは届けてくれる。
大塚広子(DJ)
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